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『色褪せぬ薔薇』・・・第十一章

『色褪せぬ薔薇』
   第十一章

葉子は口をパクパクさせ、やっとのことで最後の言葉を口にすると、羞恥を隠すように秀明へ抱きついてきた。
ふわっと葉子の甘い肌の香が秀明の鼻腔を掠めた。

「お、大崎さん・・」

「は、はしたない女だと思わないで・・いけないとはわかっているけど・・自分ではどうにもならないぐらい・・・あ、愛してしまったの・・お願い、迷惑はかけないから・・」

葉子は座っていた秀明を畳の上に押し倒した。
胸に顔を埋める葉子を抱くと、その背中はぐいぐいと秀明に捨て身の想いを伝えてくる。
秀明は逡巡した。

(いいのか)

葉子は人妻。
しかも社内不倫だ。
出世競争の足枷になる可能性もある。
だが単身赴任の不自由な生活、そして性のフラストレーションを考えると、葉子を仙台妻にした方が便利には違いない。

きっと葉子にしても、口では愛しているとか言うが、一時の満たされない夫婦生活の憂さを晴らしたいのだろう。
秀明はそう勝手に考えた。
そして抱いたまま葉子を仰向けに組み敷くと、わななく薄桃色の口唇を奪った。

「・・嬉しい」

瞳に涙を湛えたまま、葉子は長い睫毛を閉じた。
すっと一筋の涙が耳朶へと伝った。
秀明はゆっくりとブラウスを脱がせた。

「ああっ」

純白のブラジャーから、豊かな胸の谷間が覗いた。
秀明は背中に手を回してホックをそっと外した。
昼間の制服姿からは想像できない豊かな乳房が弾けた。

ふるふる震える柔らかな膨らみは、若い風俗嬢にはない、豊潤な女の魅惑を醸し出している。
粟立った薄褐色の乳暈に痛々しいほど尖った乳首が、秀明の愛撫を今か今かと待ち侘びている。
つづく…
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『色褪せぬ薔薇』・・・第十二章

『色褪せぬ薔薇』
   第十二章

堪らず秀明は乳首を吸った。

「あっ・・」

葉子はぐっと上半身を反らせると、秀明の頭に手を回して乳房に押しつけてきた。
窒息しそうなほど顔が埋もれる。
秀明は乳首を軽く噛みながら、舌先でその先端を嬲ってみた。

「あうぅ・・いや、いやん・・」

感じやすいのか、葉子は髪を乱して頭を激しく振った。
熟れた三十路前の肉体は、まさに女としてのピークを迎えているようだった。

秀明は乳房を愛撫しながら、右手を葉子の下半身へと這わせた。
程よく脂肪が乗った下腹部から、ボリュームのあるヒップを掌で愛でる。

「綺麗だ」

秀明は葉子の耳もとで囁いた。
葉子はぞくっと鳥肌を立てて頬を赤らめた。
秀明がショーツに指をかけると、葉子は消え入りそうな声で喘いだ。

「恥ずかしい・・」

雪のように白い太腿が、わずかに上気して薄桃色に見える。
秀明はもじもじさせる葉子の足下に回ると、ショーツを下ろして両脚をゆっくりM字に開いた。

「いやっ、見ないで・・」

両手で顔を覆った葉子は腰を捩った。
淡い翳りの下には、林檎の芯に似た形の花肉が蠢いていた。

濃桃色の内肉を覗かせ、すでにてらてらした光沢を帯びている。
秀明はそのたたずまいを楽しむように、葉子の花肉をしばらく覗き込んだ。

「もう濡れているよ」

「ああん・・意地悪うぅ・・」

ねっとりと濡れた花唇を指で掻き分け、秀明は硬く尖った肉芽に舌を絡ませた。

「あっ・・ああっ・・」
つづく…
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『色褪せぬ薔薇』・・・第十三章

『色褪せぬ薔薇』
   第十三章

内腿がヒクヒク痙攣した。
翳り越しに葉子の顔を見ると、眉間に皺を寄せて湧き上る悦楽を堪えている。
秀明は肉芽を舐め上げながら、中指を窄まった花奥へと押し入れた。

「ううっ!」

葉子はぎゅっとシーツをつかんだ。
熱く濡れそぼった花奥が指を呑み込んでいく。
濃桃色の花肉に指が出入りするたび、絡まる淫蜜がクチュクチュ音を立てる。

「い、いやっ、恥ずかしい・・そんなことしたら・・だ、だめよ・・いやあっ!」

秀明の指から逃れようと、葉子は狂ったように両脚をバタつかせた。
その途端、花肉がぎゅっと締まり、指が抜けると同時に透明な飛沫がシーツに飛び散った。

「おっ、潮を吹いた」

秀明は驚いた。
話には聞いたことがあったが、実際に見るのは初めてだった。
しかも葉子にそんな性癖があるとは思いもよらなかった。

「ど、どうして・・ダメ、勝手に漏れちゃうの・・信じられない・・ああ、嘘よ・・こんなの私じゃない・・」

だが再び挿した指の動きに合わせて、葉子の花芯は間歇的に何度も熱い飛沫を噴き上げた。

「いや、これが嘘偽りのない淫らな葉子なんだよ」

裸身になった秀明は、硬く勃起した肉茎に手を添えて、びちゃびちゃに濡れた花肉へと宛がった。

「こ、こんなに気持ちいいなんて・・ああ、欲しい・・あなたが欲しい・・は、早くあなたのを入れて・・」

息を荒げた葉子は、両腕を秀明の背中に回して縋りついてきた。
ぎゅっと温かい乳房が秀明の胸板に押しつけられる。秀明はゆっくりと腰を沈めて行った。
人妻でもなく、同僚でもない、ただの女になった葉子の熱情が肉茎を包み込む。

「うっ・・うぐぅ・・・」

獣の唸りにも似た喘ぎ声が漏れる。
仰向けに組み敷かれた葉子は、溢れんばかりに涙を溜めた瞳で秀明を見つめた。

「よ、葉子・・」

「あ、あなたに愛されている・・私を、私を変えて・・」

真っ白い葉子の太腿が、秀明の脇腹をきつく締めつけた。
その想いに煽られるように、秀明は夢中で肉茎を花奥へ突き立てた。
つづく…
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『色褪せぬ薔薇』・・・第十四章

『色褪せぬ薔薇』
   第十四章

がらんとした部屋に、葉子の喘ぎ声が反響する。

「ああっ、凄い・・こんなに感じるなんて・・」

秀明を迎えた葉子の花肉は、はしたないほど熱い淫蜜を溢れさせた。

「畳にまで愛液が滴っているよ」

「いやん、言わないで・・はうぅ・・もう狂っちゃう・・ああっ、お願い、私を、私を滅茶苦茶にして」

葉子は秀明を花奥にくわえながら、自分から腰を動かして喜悦を求める。
秀明は葉子の両脚を抱えると、猛る肉茎で我武者羅に花芯を突いた。

「ダ、ダメ・・も、もういっちゃう・・ああっ、し、死ぬ、死んじゃう・・・」

葉子は全身を仰け反らしたまま、下腹部をヒクヒク痙攣させた。
秀明は葉子の絶頂を知ると、そのうっとりと瞳を閉じた顔を見ながら、肉茎を花奥から引き抜いて射精した。

はぁ・・はぁ・・
まだ荒い呼吸が残る部屋で、秀明と葉子は裸のまま仰向けに寝並んだ。
絶頂から醒めた葉子は、手探りで秀明の掌を握ってきた。

「このまま時間が止まればいいのに・・」

葉子はちらっと薔薇の一輪挿しへ目を遣った。
だが一昨日葉子が活けた生花は、やや花首をしな垂れて、鮮やかだった真紅の花弁も色褪せ始めていた。

それから。
男と女の関係になった秀明と葉子は、このアパートで飽きることなく逢瀬を続けた。

葉子は家庭を顧みず秀明に溺れた。
だが秀明はその肉体を愛しながらも、心は冷徹なまま、葉子を仙台妻と位置づけて自分を誤ることはなかった。

三年後、秀明は本社営業部次長として東京へ呼び戻された。
二人の関係はそこで終わった。
迷惑をかけないと言った葉子は、約束通り東京へは連絡を寄こさなかった。

秀明が仙台を離れた翌年、風の噂で葉子が離婚したことを知った。
秀明は責任を感じながらも、仕事に没頭して葉子の記憶を風化させて行った。
つづく…
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『色褪せぬ薔薇』・・・第十五章

『色褪せぬ薔薇』
   第十五章

古めかしい大学病院は、窓から差し込む西日で茜色に染められていた。
消毒薬の匂いが立ち込める病棟は、暖房が効いているのだが、どこかひんやりと冷たい空気が澱んでいる。
秀明は、真っ直ぐに続く廊下を、コツコツと靴音を響かせながら歩いた。

「吉川専務、駒木さんの病室は突き当たりの205号室です」
隣を歩く山下が、秀明の顔色を窺うように小声で告げた。

「わかった。悪いが君はもう会社へ引き上げてくれないか」

「は、はい。先ほど駒木さんには、専務が見舞いに来られることをメールしておきましたので・・」

山下は下僕のように身を屈めたまま、背後の茜色の闇へ消えて行った。
長い廊下の先に、葉子が闘病生活を送る病室の扉が見えた。

十メートルほどの直線だが、そこへは永遠に辿り着けないような距離感があった。
改めて秀明の心に、葉子から逃げた罪悪感が沸きあがってくる。

「葉子・・」

秀明は自分を勇気づけるように小さく呟いた。
冷たい靴音が止んだ。
目の前に聳え立った鋼の扉は、明らかに秀明が中へ入ることを拒んでいるように見えた。

秀明は、タクシーの中で山下から葉子の詳細を聞いた。
五年前、葉子は乳癌で半年会社を休んだ。
左乳房は切除したものの、密かに癌細胞は体の中で増殖を繰り返していた。

そして昨年、骨への転移が見つかった。
放射線治療を始めたが、すでに体中に広がった癌細胞は、医学の力では取り除くことはできなくなっていた。
もう葉子には、麻薬で痛みを和らげる治療しか残されていなかった。
つづく…
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『色褪せぬ薔薇』・・・第十六章

『色褪せぬ薔薇』
   第十六章

それも一週間ぐらいだと医師から宣告されていた。
山下の話では、麻薬のためにうつらうつらしている時間が多く、調子が良い時でなければ面会も難しいと言う。

秀明はプライバシーについても聞いた。
葉子は夫と離婚した後、五十四歳になる今日まで独りで生きてきた。

社内で浮ついた男の噂もなかった。
葉子の両親は疾うに他界しており、誰にも見守られることもなく、葉子は独り病魔と闘っていると言う。 
秀明が病室の扉をノックしようとした時、不意に甲高いハイヒールの靴音が聞えた。玲子だった。

「吉川専務、今ならまだ新幹線に間に合います」

「私は帰らない。明日の役員会も欠席する」

「ど、どうしてですか? ご自身、今が一番大切な時期だとおわかりのはずでしょう?」

秀明は声を潜めて言った。

「それはわかっている。だが私は彼女と一緒に最後を過ごしたいんだ。今彼女から逃げたら、社長になったとしても、私は人間として一生後悔しなければならない」

秀明は目に涙を滲ませて訴えた。
事情を察した玲子はしばらく押し黙って俯いた。

「・・わかりました。会社には、過労がたたってしばらく仙台で検査入院すると伝えておきます。どうか、悔いを残されませんように・・」

「有難う」

玲子は深々と頭を下げると、再びコツコツとハイヒールの音を残して去って行った。
意を決した秀明は、ゆっくりと鋼鉄の扉を叩き、恐る恐るドアを細く開いた。

病室は窓から射し込む西日で、壁も床も燃えるような茜色に染まっていた。
部屋の中央にベッドが一つ置かれている。
そのベッドを取り囲むように医療機械が並び、無機質な信号音を間歇的に響かせていた。
つづく…
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『色褪せぬ薔薇』・・・第十七章

『色褪せぬ薔薇』
   第十七章

ベッドに寝ている葉子が小さく動いた。
秀明は無言で頭を下げた。
全身を医療器械のコードで縛られた葉子は、痩せこけた顔を秀明の方へ向けた。

「よ、吉川専務・・」

「・・よ、葉子」

二十五年前に呼んでいた名前を、秀明はやっとのことで口にした。
だが現実を目の当たりにして、秀明は凍りついたようにその場に立ち尽くした。

変わり果てた姿だった。
グラマラスな肢体を誇っていた葉子が、一回り縮んで干からびたように小さくなっていた。

「ここへ座って・・」

葉子は枕元に置かれた椅子を手で示した。
そのパジャマから覗く上腕が、ミイラのように骨と皮ばかりになっていた。
そして腹水が溜まっているのか、餓鬼のように腹だけが膨らんで見えた。

秀明は病に侵された葉子をある程度は想像していた。
だが病魔がここまで残酷だとは思ってもいなかった。

秀明は見舞いに来たことを後悔した。
かつての愛人に、痩せこけてしまった自分の姿を見られることが、葉子にとってどれほど苦痛かを考えもしなかったからだ。
秀明は涙腺が弛むのを感じながら、強張る筋肉で無理矢理笑顔をつくった。

「た、体調はどうだ? 話せるか? 具合が悪いのならすぐに帰るよ」

「ええ、大丈夫。今日はまだ調子がいい方なの・・」

相当体が弱っているのか、耳を近づけなければ聞き取れないほど、葉子の声は途切れ途切れで力なかった。

「出張で東北支社へ来たんだ。入院していると聞いたからちょっと寄ってみたんだよ。ほら、葉子が好きな薔薇の花をお見舞いに持ってきたよ」
つづく…
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『色褪せぬ薔薇』・・・第十八章

『色褪せぬ薔薇』
   第十八章

秀明は花束を枕元に置いた。
葉子が好きだった真紅の薔薇だった。

「ありがとう・・山下課長から、お見舞いに来てくれるって、携帯でメールもらって、楽しみにしていたの・・」

体を起こそうとする葉子を秀明は押し留めた。

「無理するなよ」

「でも寝たままだと、あなたの顔が、よく見えないから・・」

ベッドの横にあったクッションを枕元に置き、秀明は紙切れのように軽い葉子の上半身を抱き起こした。

「辛くないか?」

秀明は葉子の顔を見つめた。

「ええ・・やだ、そんなに見つめないで・・お化粧したんだけど、久しぶりだから、どうも上手くいかなくて・・」

葉子は痩せこけた頬に薄くファンデーションを塗り、乾いた口唇にルージュを引いていた。
死を間近にしても、葉子は秀明の前で女として振る舞おうとしている。
その健気な姿に、秀明は湧き上がる涙を堪えるためにあちこち病室を見回した。

明るい茜色に染まった病室には、ところ狭しとブーケのような薔薇の花束で埋め尽くされていた。
秀明は首を傾げた。
剣弁高芯咲きの花形は生花そのものだが、鮮やかな青や濃い紫の花色は、かつて葉子から教えて貰った薔薇にはあり得ないものだった。

「変な薔薇だなあ・・生花みたいだけど、色が本物じゃないしなあ・・」

「うん、この花は、プリザーブドフラワーって言うの。私がつくった造花よ」

「造花? しかし本物の花にしか見えないけどな」

「うん、プリザードって言うのはね・・」

覚束ない口調だったが、葉子は嬉しそうに説明を始めた。
プリザーブドフラワーとは、脱水脱色した生花を染色して乾燥させた造花らしい。

生花のような瑞々しさが数年に亘って持続するため、魔法の花として近年非常に人気があるフラワーアレンジメントらしい。
葉子は枕元から紙切れを取り出した。

「これ、私がつくった名刺。あなたに、渡そうと思って・・」

もう造花すら造れない痛々しい手で、葉子は名刺を秀明に手渡した。

『フラワーコーディネーター 駒木葉子 花束・ブーケ等(生花、プリザーブド)ご用命受けたまわります』

秀明はじっとその名刺を見入った。

「一緒に、お花をやっている友達と、お店を、始めたの・・もう結婚式とか、注文もきているのよ・・」

「そ、そうか・・フラワーアレンジメントは葉子の昔からの夢だったからな」
つづく…
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『色褪せぬ薔薇』・・・最終章

『色褪せぬ薔薇』
   最終章

秀明は胸を痛めた。
明日の命すら保障のない葉子は、今でも夢を抱き続けて懸命に生きようとしていた。

残された時間の限りを知りながら、夢と向き合って生きようとしているのだ。
突然、葉子は苦しそうに咳き込んだ。

「あまり無理して話さない方がいい」

「で、でも、やっと、あなたに、会えたのに・・迷惑、かけられないから、ずっと連絡できなくて・・いつか、あなたに、声を、かけてもらえると信じて、会社は辞めなかったの・・」

不意に葉子の表情が曇り、見開いていた瞳が潤んだ。
今まで懸命に堰き止めて来た感情が、奔流となって胸に込み上げたのだろう。

秀明は自分の愚かさを責めた。
空白の二十五年間、葉子は秀明を待ち焦がれていたのだ。
何故近くにいてやらなかったのだろう。

結局、秀明はエゴの塊でしかなかった。
こんな醜い自分を晒してまで、秀明が得ようとしていたのは何だったのだろう。

地位なのか、それとも名誉なのか? どちらともくだらない張子の虎だ。
一人の女も幸せにできないくせに、社長の地位など聞いて呆れるじゃないか。

「・・済まない」

「嫌、謝らないで・・あなたに、謝られたら、私の人生は、全部、不幸に、なってしまうじゃない・・そんなの嫌よ・・」

「・・葉子」

「私は、幸せだった・・ううん、今も幸せよ・・あなたを愛せて幸せだった・・自分の選んだ道を、歩くことができた・・」

「・・・・」

葉子の姿が涙で滲んだ。

「あなたを、愛したからこそ、私、幸せな人生を、拓けたと信じているの・・」

葉子は手を差し伸べた。

「手を握って・・」

秀明はその掌を押し頂くように握った。
冷たい掌だった。
二十五年ぶりに握った手が涙で揺れた。
ぽつりと葉子は呟いた。

「このまま時間が止まればいい」

「ああ・・」

だが葉子の顔を染める茜色は、刻々と暗い翳りを深めて行った。
枕元に置かれた薔薇のプリザーブドフラワーを、葉子は一輪手にした。

「・・この花のように、色褪せることなく、あなたと一緒に明日を生きたい」

秀明は葉子の瞳を見つめた。

「・・きっと、生き続けるよ・・」

葉子の骨ばかりの手を秀明はもう一度強く握った。
葉子は幸せそうにふっと笑みを浮かべてくれた。
――閉幕――

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プロフィール

紅殻格子 

Author:紅殻格子 
紅殻格子は、別名で雑誌等に官能小説を発表する作家です。

表のメディアで満たせない性の妄想を描くためブログ開設

繊細な人間描写で綴る芳醇な官能世界をご堪能ください。

ご 挨 拶
「妄想の座敷牢に」お越しくださいまして ありがとうございます。 ブログ内は性的描写が多く 含まれております。 不快と思われる方、 18歳未満の方の閲覧は お断りさせていただきます。                
児童文学 『プリン』
  
『プリン』を読む
臆病で甘えん坊だった仔馬は、サラブレッドの頂点を目指す名馬へと成長する。
『プリン』
だが彼が探し求めていたものは、 競走馬の名誉でも栄光でもなかった。ちまちました素人ファンタジーが横行する日本の童話界へ、椋鳩十を愛する官能作家が、骨太のストーリーを引っ提げて殴り込みをかける。
日本動物児童文学賞・環境大臣賞を受賞。
『プリン』を読む

作 品 紹 介
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