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『愛憎の流砂』・・・第十一章

    『愛憎の流砂』
※ 男の愛撫にうねる白い肌・・・
  愛人に溺れる母を恨み呪う少女・・・
やがて大人になった少女は、思いもよらぬ運命に手繰られていく。

第十一章

土建屋の二代目三代目には、高給外車に乗って空威張りしている輩が多いと言う。
だが青砥は、精力的に現場を駆け回る一方、社員の声には謙虚に耳を傾ける。

泰然として時流を読みながらも、時と見るや豪胆な決断を下す。
確かに見た目も、日焼けして筋肉質な青砥は精悍な黒豹のようだった。

だが美幸は、二代目の努力を請求書から窺い知っていた。
仕事に厳しい青砥は、よく朝の事務所で部下を叱責することがあった。

だがその夜は必ず、どんなに疲れていても彼等を飲みに誘った。
また年配の社員には、結婚記念日に花を贈るなど細やかな気を遣っていた。

こうして青砥は、硬軟両様で荒くれ男達の心をしっかりとつかんでいった。
事務所へ入るなり青砥が呼んだ。

「川上部長、佐久田さん、ちょっと来てくれないか?」

会議室に入ると、青砥はテーブルに個人の貯金通帳と印鑑を置いた。

「若、どうしたんですか?」

「うん、西川さんのことだが・・」

設計部にいる西田課長の妻が、子宮癌を患っている話は美幸も知っていた。
癌の治療は金がかかる。
五人の子沢山で貯えもない西田は、泣く泣く妻に土下座して、満足な治療を受けさせられない自分を詫びたと言う。

「し、しかし若、個人の力では・・」

慌てた川上も、自分の財布を出して中身を数え始めた。
つづく・・・

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『愛憎の流砂』・・・第十二章

    『愛憎の流砂』
※ 男の愛撫にうねる白い肌・・・
  愛人に溺れる母を恨み呪う少女・・・
やがて大人になった少女は、思いもよらぬ運命に手繰られていく。

第十二章

確かに癌の治療は金がかかる。
抗癌剤にしても放射線治療にしても、自己負担で月十万円近く必要になることがある。
青砥はバンとテーブルを叩いた。

「社員の家族に、最良の治療を受けさせられないなんて、社長として失格だよ」

青砥は涙声で自分を責めた。

「それは若が悪いんじゃありません。今の土建業界では、うちはまだ給料やボーナスもいい方です」

「でもこれが現実だ。俺はどんなことをしても、西田さんの奥さんに治療を受けさせたいんだ」

青砥は通帳と印鑑を美幸に渡した。

「五十万円ある。今、女房に内緒で自由になる金はこれだけしかない。佐久田さん、銀行で下ろして来てくれないか?」

美幸は古武士のような西田の顔を思い浮かべた。

「・・でも、社長個人のお金を西田さんが受け取りますか?」

「若、あいつは頑固者ですよ」

「う~ん、確かに道理に適わないことは嫌いだよなあ・・佐久田さん、何かいい知恵はないかな?」

頭を抱え込んだ青砥は、泣きそうな顔で美幸に手を摺り合わせた。
二人に見つめられた美幸はしばらく考えた。

「ではこうしたらどうですか?」

金を貰うのに抵抗があるなら、青砥建設が無利子で貸し付ける形にすればいい。
青砥の五十万を借入金として会社へ入れ、そのまま従業員貸付金として西田に渡してやるのだ。

「な、なるほど・・それなら西田さんも」

「今の資金繰りならば、会社からも五十万円ぐらい捻出できます。合わせて百万円を西田さんにお貸ししましょう」
つづく・・・

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『愛憎の流砂』・・・第十三章

    『愛憎の流砂』
※ 男の愛撫にうねる白い肌・・・
  愛人に溺れる母を恨み呪う少女・・・
やがて大人になった少女は、思いもよらぬ運命に手繰られていく。

第十三章

美幸が腹案を出すと、青砥は目を真っ赤に潤ませていきなり手を押し頂いた。

「あ、ありがとう・・佐久田さんのお陰で大切な社員の家族が救われるよ」

「あ、そんな・・」

ごつごつした熱い手が、美幸の手をぎゅっと握りしめた。
小さくても一国一城の主が、社員の家族を想い遣って、子供のようにポロポロ涙を流して喜んでいる。

川上は立派な跡継ぎだと自慢する通り、仕事への熱意、社員への愛情、どれをとっても経営者としては非の打ちどころがなかった。
手を握られたまま、美幸は青砥をじっと見つめた。

(何て凄い男なんだろう・・)

夫も含めてサラリーマンしか知らない美幸は、まったく人種が異なる男の大きさを知る思いがした。
それは動物園の檻にいる虎と、大自然に放たれた野生の虎ほどの違いがあった。

組織と言う檻の中で飼われる男は、期待される役割を演じなければならない。
係長・課長・部長――会社から与えられた鋳型に、自分の身を合わせなければ評価されないのだ。

会社の外へ出ても、その習性はなかなか変えることができなくなる。
家庭でも、良き夫良き父親たらんとして、正彦のようにごくありきたりなプロトタイプであろうとする。

それに比べて自営業は、組織に制約されることはなく、稼げるか稼げないかだけがその人物の全てである。
むしろ自由奔放で型にはまらない男の方が、まったく斬新な発想で実業家として大成することが多い。

そのような男は魅力的ではあるが、女が求める安定した生活は望むべくもない。
大当たりするか、大外れするか、常にリスクと隣り合わせで怯えていなければならない。
つづく・・・

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『愛憎の流砂』・・・第十四章

    『愛憎の流砂』
※ 男の愛撫にうねる白い肌・・・
  愛人に溺れる母を恨み呪う少女・・・
やがて大人になった少女は、思いもよらぬ運命に手繰られていく。

第十四章

まさに青砥は後者の典型だった。
強烈なリーダーシップで陣頭指揮しながらも、内面は無垢で子供のように鮮烈な感情を保っている。

それを大人びて隠そうとせず、開けっ広げのまま、ただただ素直に美幸の心へ伝えようとするのだった。
コホンと川上が咳をした。

「若、佐久田さんにはご主人がいらっしゃるのですよ」

青砥は美幸の手を握ったままにっこりと笑った。

「だから手だけで我慢しているんだよ。もし佐久田さんが独身だったら、このままホテルへ連れさらっているところだよ」

思わず美幸は噴き出した。

「社長、こんなオバサンでもいいんですか?」

「あっはは、とんでもない。実は面接の時、容姿で佐久田さんを採用したんだよ。ところが蓋を開ければ才色兼備だ。青砥建設には一挙両得だよ。これからも俺の片腕としてこの会社を助けて欲しい」

「・・は、はい」

底知れぬ青砥の魅力に美幸は心が揺れた。
できるだけ感情を押し殺し、頑なに計算づくで生きてきた美幸だった。
だが青砥と言う男の大きさに触れるたび、美幸の心に思いもよらない感情が忍び込んでくる。

はっと美幸は我に返った。
気づかぬうちに、美幸は青砥の世界に惹き込まれていた。

青砥を助けたい。
青砥を立派な男にしたい。
そして青砥に・・・
(いけないわ)

押し寄せる熱い感情の波を掻き消すため、美幸は九十九里浜にいた頃の母を思い返した。
男にすがって生きる愚かな母。
その屈辱的な女の惨めさを反面教師にすることで、かろうじて美幸は、青砥への想いに揺れる心を抑えるのだった。
つづく・・・

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『愛憎の流砂』・・・第十五章

    『愛憎の流砂』
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  愛人に溺れる母を恨み呪う少女・・・
やがて大人になった少女は、思いもよらぬ運命に手繰られていく。

第十五章

砂・砂・砂・・
足元にはただ無尽の砂が積もっていた。
波の音が地響きのように遠く聞こえる。

そして耳を掠める風の音。
砂浜に打ち棄てられた木造の漁船が、流砂に朽ち果てた船体を半ばまで沈めていた。

昭和四十七年、九十九里浜。
長年の念願だった漁港が完成して、もう砂浜には漁師達やおっぺしの姿もなかった。

夏の海水浴を除けば、九十九里浜は、ほとんど人も近寄らない砂の人外境に姿を変えていた。
高校の卒業式を終えた美幸は、ぽつんと一人夕暮れの海辺に佇んでいた。

風に吹かれて足下の砂が削り流されていく。
少しずつ少しずつ、廃船が辿る運命と同じく、砂は足先から美幸を地の底へ引きずり込もうとした。

「嫌、もう嫌っ!」

蟻地獄の中でもがくように、美幸は細かい無数の砂粒を何度も踏みつけた。

生まれて初めて母に口答えした。
美幸が家に帰ると、母は嬉しそうに鼻歌まじりで卒業を祝う赤飯を炊いていた。

「お帰り。いい卒業式だったね」

「・・うん」

美幸は素直に頷いた。
だが派手に着飾った洋装の母親達の中、古めかしい着物姿の母はみすぼらしかった。

母一人娘一人――貧しさには慣れている。
それ故、心から卒業を喜んでくれる母を、これからは楽にさせてやりたかった。
つづく・・・

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『愛憎の流砂』・・・第十六章

    『愛憎の流砂』
※ 男の愛撫にうねる白い肌・・・
  愛人に溺れる母を恨み呪う少女・・・
やがて大人になった少女は、思いもよらぬ運命に手繰られていく。

第十六章

一週間後、美幸は就職した会社の寮に入って東京での生活を始める。
華やかな東京で懸命働いて、仕送りはもちろん、銀座で母に洋服を買ってやりたいと思った。

だが美幸の顔が曇った。
壁にかかった紺のスーツが美幸の目に留まった。

「お母ちゃん、このスーツは?」

「ああ、お前が東京の会社へ行ったら着るように、蓮沼さんが買って下さったんだよ」

大人の仲間入りをした安心からだろうか、母は臆面もなく、美幸に愛人の名前を口に出した。
美幸は母を睨みつけた。

母への感謝は、一転して激しい憎悪へと変わった。
ハンガーからスーツを外すと丸めて壁に投げつけた。

「な、何てことをするんだい!」

母は慌ててスーツを拾うと、大事そうに懐へ抱え込んだ。

「そんな穢らわしい服はいらない」

「穢らわしいって・・」

「人生の門出に、不貞相手の男からもらった服なんて縁起悪いのよ」

「蓮沼さんは、ずっと陰で私達を支えてくれていたんだよ。あの人が助けてくれたから、お前だって私立高校を卒業できたんじゃないか!」

美幸は卒業証書が入った筒を畳に叩きつけた。

「愛人のお手当てでもらった卒業証書なんかいらない」

「馬鹿っ!」

母はスーツを抱えたまま、美幸の頬を平手で叩いた。
美幸は頬を押さえて大声で母を詰った。

「何が蓮沼さんのお陰よ。お母ちゃんが愛人の妾だって、私がどれだけ虐められたか知らないでしょう。ここへ引っ越ししても友達なんかできなかった。十円玉を握らされて遊んできなと言われても、寒い海へ行って一人で泣くしかなかったのよ」

「・・・・」

「お母ちゃんと二人で暮らせるなら、新聞配達をしても、中学校を出て働いても良かったのに・・」
つづく・・・

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『愛憎の流砂』・・・第十七章

    『愛憎の流砂』
※ 男の愛撫にうねる白い肌・・・
  愛人に溺れる母を恨み呪う少女・・・
やがて大人になった少女は、思いもよらぬ運命に手繰られていく。

第十七章

大粒の涙をボロボロ流しながら、美幸は毛羽立った畳に突っ伏した。
呆然と立ちつくした母はスーツを足元に落とした。

「・・す、済まない。お前に苦労をかけていたんだね・・でも母ちゃんは・・母ちゃんは、あの人がいてくれたから生きて来られたんだよ。お金じゃなくて・・あの人がいてくれたから、幼いお前を手放さないで生きて来られたんだよ」

美幸は母をキッと睨みつけた。

「嘘よ。どんなに貧しくても、母娘二人で暮らせばいいじゃない。愛人がいないと生きられないなんて、男好きな女の勝手な言い訳でしょう?」

母は哀しげな目で美幸を見つめた。

「・・まだ、お前にはわからないんだよ・・女の心が・・」

母は苦しそうに声を絞り出すと、丁寧にスーツをハンガーに掛け直した。

「そんなのわかりたくない、淫乱女っ!」

大声で母に罵声を浴びせた美幸は、革靴をつっかけて家を飛び出した。

砂浜を這うように風が押し寄せる。
刻々と風に形を変えられていく砂山。
それはまるで母のように、自分の意思ではなく、男に縋って生きる女の人生に似ていた。

(私は・・絶対に母のような女にはならない)

美幸はぐっと歯を噛み締めると、足にまとわりつく砂を海に向かって蹴り上げた。
つづく・・・

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『愛憎の流砂」・・・第十八章

    『愛憎の流砂』
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第十八章

青砥建設。
梅雨空が垂れ込める土曜日の午前、美幸は事務所で仕事に追われていた。

「独りぼっちの休日出勤なんて味気ないわね」

誰もいない事務所で、伝票を整理しながら美幸はぶつぶつ文句を言った。
月末で経理の仕事が溜まっていた。

愛美は小学校の行事で登校、正彦も接待ゴルフ、美幸は家事の合間を見つけて事務所へやってきた。
最近、経理の仕事だけでなく、青砥は美幸に社長秘書を兼務させていた。

スケジュール管理から資料の作成、昼であれば商用の同行まで依頼されるようになっていた。
もちろん給料は上げてもらったが、本来の経理業務が遅れ気味で、土日も暇を見つけては出勤しなければならなかった。

(我慢、我慢・・)

あと一年も働けば、過去の貯金も合わせて五百万円になる。
頭金さえできれば、大手銀行の出世街道を歩く正彦の給料で、四千万円のローンぐらい返していけるはずだった。
仕事が終わりかけた昼頃、ぶらりと青砥が事務所を訪れた。

「お疲れ様です」

「・・ああ」

元気よく挨拶する美幸に、不機嫌そうな顔で青砥は答えた。

「社長、昨日の二次会は遅かったんですか?」

「ふん・・」

昨夜、青砥は大手建設会社の部長を接待していた。
青砥建設にとって、大手建設会社からの下請け工事は重要な収入源である。
昨夜接待した部長は、青砥建設にとって会社の命運を握る大切な人脈だった。
つづく・・・

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『愛憎の流砂』・・・第十九章

    『愛憎の流砂』
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第十九章

美幸はお茶を淹れた。

「どうせキャバクラでチヤホヤされていたんでしょう?」

「・・・・」

いつもなら頭を掻いてニヤける青砥だが、むすっとしたまま応接セットで新聞を読み始めた。

「そんなにあの部長さんがお嫌いなんですか?」

青砥は新聞をテーブルに放り投げると、目を三角にして美幸を睨みつけた。

「しらじらしい・・昨夜の一次会を忘れたのか?」

よく昼の商談に同席していた美幸は、その五十代半ばの部長に気に入られていた。
青砥が部長を接待に誘うと、美幸を連れてきて欲しいと要望があった。

家庭第一にしてきた美幸だったが、青砥に乞われて一度きりの約束で接待に同席した。
愛美の面倒は正彦の実家に頭を下げて頼んだ。

そして中華街にある有名な料理店の個室で、贅沢な上海料理を三人で囲んだのだった。
美幸には青砥が怒っている理由がわからなかった。

「え、私が何かミスをしましたか?」

「ふん、隠しても無駄だ。俺がトイレに行っている時、部長にお尻を触られていただろう?」

「はぁ?」

朝から仏頂面していたのは、どうやら昨夜のセクハラが原因らしかった。
青砥がトイレで席を立った合間、美幸は場繋ぎにビールを注ぎに行った。
老獪な部長は、注ぐビールを手に動けない美幸のお尻をそっと撫でた。

「おお、いい肉づきをしているな」

「ああん、部長さんったら、ビールがこぼれちゃいますよ」

美幸は堪らずヒップをよじった。
ゼネコン業界に三十年以上身を置くだけあって、部長は女のツボをよく知っていた。
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『愛憎の流砂』・・・第二十章

    『愛憎の流砂』
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第二十章

むくれる青砥に美幸は聞き返した。

「大事な取引先の部長さんですよ。あの時、私が若い娘のように悲鳴でも上げればよかったんですか?」

「い、いや、そうは言っていないけど・・もう少し厭な顔をしたっていいだろう。それなのに、顔を真っ赤にして嬉しそうだったじゃないか・・」

青砥は口を尖らせてもごもごと文句を言った。
武田信玄が聞いて呆れる。
荒くれ男達を束ねる親分の青砥が、美幸の前では駄々をこねる子供になっていた。

学歴・会社・役職――男はプライドを保つために心を武装している。
鎧ばかりが重くなって、博物館の置物のように、中身が空洞の男を美幸はたくさん見てきた。
だが青砥は、一切の飾りもなく、ただあるがままに生身を美幸に曝してくる。

(まったくこの人は・・でもどこか惹かれてしまうのよね)

心の中で苦笑しながらも、美幸は胸の鼓動が高鳴るのを感じていた。
美幸は悪戯っぽい目で青砥の顔を覗き込んだ。

「まさか、社長も私のお尻を触りたかったんですか?」

「ば、馬鹿な・・ちょっと悔しかっただけだ。俺より先にあんな狒々爺に触られるなんて・・くそっ」

玩具を取られた子供のように、地団太を踏んで青砥は癇癪を起こした。

「あらあら、大人のくせに・・でも部長に触られる前に、私のお尻を触っておきたかったんですね」

「いや、あの、そ、それは・・」

慌てふためく青砥は、二日酔いの顔をさらに赤くした。
美幸は動揺する青砥の隣に立ってお尻を突き出した。

「いいですよ、触っても・・」

ソファであんぐりと口を開いた青砥の前で、美幸は小さく左右にお尻を振ってみせた。
つづく・・・

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プロフィール

紅殻格子 

Author:紅殻格子 
紅殻格子は、別名で雑誌等に官能小説を発表する作家です。

表のメディアで満たせない性の妄想を描くためブログ開設

繊細な人間描写で綴る芳醇な官能世界をご堪能ください。

ご 挨 拶
「妄想の座敷牢に」お越しくださいまして ありがとうございます。 ブログ内は性的描写が多く 含まれております。 不快と思われる方、 18歳未満の方の閲覧は お断りさせていただきます。                
児童文学 『プリン』
  
『プリン』を読む
臆病で甘えん坊だった仔馬は、サラブレッドの頂点を目指す名馬へと成長する。
『プリン』
だが彼が探し求めていたものは、 競走馬の名誉でも栄光でもなかった。ちまちました素人ファンタジーが横行する日本の童話界へ、椋鳩十を愛する官能作家が、骨太のストーリーを引っ提げて殴り込みをかける。
日本動物児童文学賞・環境大臣賞を受賞。
『プリン』を読む

作 品 紹 介
※ 小説を読まれる方へ・・・   更新記事は新着順に表示されますので、小説を最初からお読みになりたい方は、各カテゴリーから選択していただければ、第一章からお読みいただけます。
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