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『闇に抱かれて』 第十七章

『闇に抱かれて』
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(十七)

灰暗い闇の中、微かな緑色の光を受けて、晶の上半身が白く浮き上がった。
弛み切った智彦の体とは異なり、ギリシャ神の彫像のように瑞々しく引き締まっている。
磁石で引き寄せられるように、晶の体から美也子は視線をしばらく外せずにいた。

「美也子、ズボンも濡れているのか?」

「ええ」

「おい、シートが濡れるから早く脱げ」

智彦は晶により強い命令口調で言った。

「で、でも、奥さんの前では…」

「恥ずかしがることはないだろう。散々妻のパンツを覗いてきたくせに、自分のパンツ姿は見せられないのか?」

「あなた、そんな言い方しなくても…」

「いえ、ご主人の言う通りです。申し訳ありませんでした」

晶は座ったまま、濡れて肌に密着したジーンズを脱いだ。白いブリーフが現れた。
その中央は、巨大は肉茎がとぐろを巻いて膨らんでいた。

「ブリーフも脱ぐんだ」

「…はい」

晶は智彦の命令に従順に頷いた。
ブリーフを脱ぐと、とぐろを巻いていた大蛇が鎌首をもたげた。

「ほう、なかなか立派な持ち物だ。美也子、今まで覗かれていたお返しに、じっくりと観察してやれよ」

「んもう、あなたったら…」

美也子は落ち着かなく目線を泳がせていたが、ちらちらと何度か晶の肉茎を盗み見ているようだった。
智彦はごくんと生唾を呑み込んだ。

「次は冷え切った体を温めてやろう」

そう言うと、智彦は運転席を離れて後部座席へ移動した。
そして美也子を晶と挟む形で座った。

「あ、あなた」

美也子の瞳は警戒心を顕わにしていた。

「そうだよ。彼の冷たい体をお前の肌で温めてやるんだ」

「いやっ、そんなの嫌よ」

智彦は抗う美也子を背後から抱えかかえ、トレーナーを頭の上まで捲し上げた。
豊かな乳房が晶の目の前で弾んだ。
智彦は背中から両手を回して乳房を揉みながら、冷えた体のことなど忘れてじっと見入る晶に話しかけた。

「ガラス越しではなく、直に見る感想はどうだい?」

「はい、すごい迫力です」

「乳首を吸ってみなさい」

「いいんですか?」

晶は波打つ美也子の乳房を両手で覆うと、指の間から顔を出した乳首を口に含んだ。

「嫌、あなた止めさせて…ああ…」

言葉では抗いながらも美也子は、晶が乳房を強く吸うたびに全身を震わせ、智彦の腕の中で上半身を仰け反らせた。

つづく…

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『闇に抱かれて』 第十六章

『闇に抱かれて』
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(十六)

智彦は美也子の耳元で囁いた。

「おい、少年を見てみろ。傘もささずに頭からびしょ濡れだぞ。震えているよ」

「え、やっぱり…?大丈夫かしら」

美也子は、晶が来ることを半分期待しつつも、真冬の寒さで風邪をひくのを心配していたらしい。
智彦と抱き合いながらも、終始外の晶が気になって仕方ない様子だった。

コホンと智彦は咳払いをして言った。

「あれじゃ肺炎は間違いなしだ。可哀想だから少年を車に入れてやろうか」

一瞬美也子の体が強ばって瞳が揺れた。

「で、でも…」

「平気だろう。悪い奴じゃないみたいだし、このまま放って置くわけにもいかないよ」

「…し、仕方ないわね。あなたがそうしたいのなら…」

智彦はオートロックを解除して、後部座席に乗るように指で指示した。
ドアがスライドして、ルームライトが緑色の闇を破った。

頭からずぶ濡れの晶は寒さに震えていた。

「も、申し訳ありません…」

再び閉ざされた灰暗い闇の中、後部座席に座った晶は、かちかちと歯を鳴らしながらやっとそれだけを言った。

「まったく…君が僕ら夫婦を覗いているのは知っていたけど、何もこんな夜にまで来なくてもいいんじゃないか。そんなに妻の裸が見たかったのか?」

「あ、あなた、何を言うの?」

美也子は慌てて智彦の言葉を遮った。

「少年、妻のオマンコが見たいだろう?」

「…はい、おっしゃる通りです」

晶は消え入りそうな声で謝り、恥ずかしそうに俯いた。
すると美也子も、今までふしだらな痴態を晒してきた晶の告白に、羞恥の表情を隠すように俯いてしまった。

「おい、何か拭くものを貸してやれよ」

「拭くものって…あ、美彦がサッカーの練習に持っていくバックが積んであるわ」

美也子は助手席から後部座席に移ると、運転席の後ろにあるバックを開け、中からスポーツタオルを取り出した。

「まあ、震えが止まらないじゃないの。本当に凍え死んじゃうわよ」

気が動転しているのか、タオルを渡せばいいだけなのに、美也子は自分の子供を扱うように、晶の隣に座って頭を拭き始めた。

「す、済みません、奥さん」

「もう、本当におバカさんね。体が冷え切っているじゃない」

美也子は悪戯っ子に手を焼く母親に変わっていた。

「あなた、着ている服がずぶ濡れだわ」

「仕方ないな…濡れている服を脱がせろ。後部座席のエアコンをつけるから、濡れている服を乾かしてやってくれ」

「え?ええ…」

躊躇う素振りを見せながらも、隣でがたがた震える晶が放って置けず、美也子は皮ジャンを後部座席の背もたれに広げて干した。

「あら、中のシャツまでびしょ濡れだわ」

「いえ、このぐらい大丈夫です」

「だめだ。濡れた服を着ているのが、風邪をひく一番の原因になるんだ」

智彦は有無も言わさない口調で命じた。

つづく…

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『闇に抱かれて』 第十五章

『闇に抱かれて』
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(十五)

雨の降りしきる深夜、智彦はいつも通りに倉庫裏の公園近くに車を停めた。
灰暗い蛍光緑色の闇の中、遠く港を照らすオレンジ色の照明が、フロントガラスに滲んで幻想的な雰囲気を醸し出している。

助手席の美也子が、窓の曇りを指でなぞりながら言った。

「この雨、明け方には雪になるみたいよ」

グレイのトレーナーと、両脚にフィットしたベージュ系のパンツを穿いた美也子は、どこか落ち着かない表情をしていた。

「今夜はこの冬一番の冷え込みらしいよ。でも年の暮れはこんなもんだよ」

クリスマスにちなんだ歌のフレーズを口ずさみながら、智彦は早速トレーナーの裾から手を滑り込ませた。

美也子の肌は温かくて心地よかった。
重みのある乳房を掌に載せると、小さくたわんでゼリーのように震えた。

「ねえ、あなた」

いつもならここで吐息を漏らすはずの美也子だが、今夜はまだ悦楽の波に身を委ね損なっているようだった。

「どうした具合でも悪いのか?」

「ううん、あの、別に変な意味じゃないんだけど、今夜も彼は来るのかしら?」

美也子は頻りに窓の外を気にした。

晶の存在に美也子が気づいてから、今回でもう三回目の野外夫婦生活になる。
そのいずれにも晶はかぶりつきで参加した。

晶が危害を加えないとわかると、美也子も彼を挑発するかの如く大胆に振る舞うようになった。
助手席でお尻を付き出して自慰をしたり、晶が覗いている窓ガラスに秘唇を押し当てたりもした。

智彦は煙草に火を点けた。

「来ないだろう。こんな天気じゃ、覗く前に凍死してしまうよ」

「それならいいんだけど…」

美也子はほっとしたような、それでいて少し寂しそうな顔をした。

その時、雨音に混じってバイクのエンジン音が聞こえた。
車の後ろにバイクを停め、駆け寄ってくる人影がルームミラーに写った。

「あの子、来たんじゃないの?」

「ああ、お前の体を拝めるなら凍死も辞せずか…まるで覗きの決死隊だな」

「もう、あなたったら…」

女子中学生のように恥じらいつつ、美也子は智彦に抱きついて口唇を重ねて来た。

晶は助手席の窓から智彦に会釈した。
智彦は美也子に気づかれないように、右手を少し持ち上げて親指を立てた。

つづく…

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『闇に抱かれて』 第十四章

『闇に抱かれて』
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(十四)

送信者 tuzuki tomohiko
日時 2003年11月××日
宛先 akaboshi akira
件名 Re:凄かったです。

『こちらこそ有難うございました。
晶君が覗いでいるのを知ってからの妻の反応には、私も正直驚きました。
狂った妻は、初めて自分からフェラを求め、あろうことか禁断の四文字を口走りました。

私が知る限りの妻からは、全く考えられない淫らな行為です。
ショックでした。
でもあれが隠しつづけていた妻の本性なのかもしれません。

妻の行動と晶君のメールで、何故私が妻に強く嫉妬を覚えるのか、思い当たることがあるので書いてみます。

私と妻は社内恋愛の末に結ばれました。
入社以来、私は同じ職場にいた妻に魅せられていました。
しかし妻は当時、私の同僚である山岸とつき合っていたのです。

一度は諦めましたが、優秀な山岸はすぐに本社へ転勤となり、妻はあっさりと捨てられました。
私は迷いましたが、妻への恋心が再燃して交際を申し込みました。

過去にこだわるのが無意味であることは承知しています。

しかし晶君が指摘する通り、私は独占欲が強い男なのかもしれません。
今も時々、会社の全体会議などで山岸と顔を合わせることがあります。

そんな夜は、妻が山岸と愛し合う幻影に苛まれ、嫉妬の渦が巻き起こります。
昨夜の淫らな四文字も、山岸が妻の体に刻み込んだ一生消えない刺青に思えてなりません。

しかし晶君。

確かに嫉妬は被虐的な悦楽を生みます。
でもそれは、独占欲が裏切られた結果の副産物に過ぎません。
決して悦楽を求めるために、愛する妻を他人に委ねるのではありません。

できれば忌まわしい過去を消し去って、もっと妻を独り占めしたいのです。
その気持ちが強くなればなるほど、何故か私は、逆に妻を君に分け与えたい衝動に駆られます。
常に相反する感情が、私の心の中に同居しているわけです。

もう止しましょう。
やはりこれは私の心の問題で、晶君を巻き込むべきではありませんでした。

さて今後の予定をお話します。
最終的に私は、晶君と妻を共有する夢を抱いています。

そこで妻に晶君への抵抗感が失せるまで、しばらくこの状態を続けようと思います。
私たち夫婦の閨に晶君がいることが当たり前になるまで、もう少し覗きで我慢して下さい。
ではまたご連絡します。』

つづく…

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『闇に抱かれて』  第十三章

『闇に抱かれて』
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(十三)

日時 2003年11月××日
宛先 tsuzuki tomohiko
件名 凄かったです

『昨夜は有難うございました。
前回とは打って変わり、淫らに変身した奥様には吃驚しました。

私が覗いていると知りながら、豊かなヒップを惜しげもなく振り、最後には禁断の四文字まで連呼されました。

まさに淫乱天女です。
お陰様であの後、擦り剥けるほど自慰をさせて戴きました。

さて、ご主人が愛する奥様を他人に委ねようとする心理ですが、若輩者からは一般論しかお答えできません。
やはり奥様への嫉妬が暗い愉悦の源です。

特にご主人の場合、奥様への独占欲が強いのだと思われます。
ですから奥様が他人に体を晒した時、そして今後委ねるであろう時、身を焦がすような嫉妬に被虐的な愉悦を感じるでしょう。

でもそれは誰にでもある感情で、何故ご主人が強くその思いを抱かれているかはわかりません。

子供の頃のトラウマか、過去に奥様との信頼関係に傷ついたか―それはご主人だけがご存知のことです。
講釈はこのぐらいにして、またのお誘いを心待ちしています』

つづく…

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『闇に抱かれて』  第十二章

『闇に抱かれて』
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(十二)

晶が覗いていた。
バックミラーを見ると、中腰になって後部座席の窓下から顔を半分だけ出している。

「ううっ!」

美也子は肉茎をくわえたまま、くぐもった悲鳴をあげた。

「しっ、騒ぐな。刺激しない方がいい。気づかないふりをしてそのまま続けるんだ」

「ん、ぐ、…襲われちゃうよ」

「大丈夫だ。ロックはしてあるし、すぐに車を発進させることもできる。それより見ろ。可愛い顔をしているぞ。まだ女を知らないんじゃないかな」

すっかり怯えていた美也子は、智彦の言葉に少しずつ平静を取り戻し、再び硬直した肉茎をゆっくり口に含んだ。
智彦は美也子の淫芯を指の腹で捏ねた。

「あ、ああ…だめ、見られていると思うとドキドキして…変な気持ち…」

「じゃあ、もっとよく見せてやろう」

智彦は肉茎をくわえさせたまま、助手席の窓に尻を付き出すように、美也子を四つん這いにさせた。

晶が助手席の窓へと移動してくる。
そのギラギラした目の前で、智彦はスカートを捲り上げた。
すでにショーツを剥ぎ取った下腹部に、秘唇を覆うものはなかった。

「ほら、丸見えだぞ」

かぶりつきの晶を意識しつつ、智彦は両手で尻肉を鷲づかみにして左右に押し開いた。

「んぐぐ…いやん…」

窓ガラスを挟んで僅か数十センチ―緑色の仄暗い暗闇の中、美也子の秘唇がぱっくりと晶の鼻先で開花した。

晶は大きく目を開いて小刻みに体を動かしている。
ドアに隠れて見えないが、己の肉茎をしごいているようだった。

「おい、お前を覗きながら少年がオナニーしているぞ」

「ううっ、いや、いやよぉ」

美也子は羞恥に身悶え、智彦の肉茎を狂ったようにしゃぶった。
智彦は美也子の痴態に満足しつつ、四つん這いの下腹部から秘唇へと指を這わせた。

「あっ、ああん」

「貞淑な妻だと思っていたのに、こんなに淫らな女だったとはな」

智彦は左手で乳房を揉みしだきながら、右手で荒々しく秘唇を嬲り回した。

「だって…いい、気持ちいいの…」

淫ら火を子宮に灯した美也子は、血走った晶の目の前ではしたなく腰を左右に振った。

「はあぁ、も、もういっちゃう…ねえ、美也子のオマンコいっちゃう…いくぅぅぅ」

体を激しく震わせた美也子は、うずくまるように崩れ落ちた。
荒い呼吸に丸まった背中が大きく波打っている。

ふと我に返った智彦は、窓の外にいる晶へ目配せした。
晶は名残惜しそうな表情で、ぺこりと頭を下げると車から離れて行った。

智彦はしばらく放心状態だった。
美也子が智彦の前で初めて叫んだ女性器の隠語が、ぐるぐる頭の中を駆け巡っていた。

無意識に口走ったのだろうか、使い慣れない言葉が咄嗟に出るはずもない。
だとすれば絶頂を迎えた時、そう絶叫するように美也子を仕込んだ男がいたのだろうか。

遠くでバイクの音がした。
智彦は恐る恐る美也子を見た。
智彦の知らない妻がそこにいた。

つづく…

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『闇に抱かれて』 第十一章

『闇に抱かれて』
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(十一)

再び緑色の仄暗い闇に静寂が戻った。
智彦は運転席に戻ると、興奮を醒めさせないように、助手席で呆然とする美也子の乳房へ舌を這わせた。

「ああん…見られちゃったわ、あの子に」

「きっと喜んでいるぞ」

「んもう…バカ、変態…ああっ…」

美也子はまだ性夢の中にいた。
智彦は助手席を倒しながら、スカートを捲り上げてショーツを膝まで下ろした。

むっと雌の甘酸っぱい匂いが車内に立ちこめた。
智彦は柔らかい翳りの奥へ、クレパスに沿って中指を滑らせた。

「ああん…いやん」

美也子は、指先を拒んでいるのか求めているのかわからない仕草で腰をよじった。
おびただしい淫蜜が秘唇から溢れ、窪んだ菊花へ滴っている。

「シートまで濡らしているじゃないか」

「ううん…だってぇ…」

ぬめった肉襞の中、硬くなった淫芯を探すのは容易だった。

「少年に見られて感じたんだろう」

「感じたなんて…ああ…」

美也子は智彦の肉茎をジーンズの上から弄り始めた。

智彦は吃驚した。

過去無理に肉茎をくわえさせたことはあったが、美也子が自分から戯れてくることは一度もなかった。
性に控え目だとばかり思っていた妻が、前回そして今回と、智彦が想像もしなかった雌の牙を剥き出しにしていた。

「欲しいのか?」

「ほ、欲しい…」

智彦はジーンズとトランクスを膝まで下ろし、運転席のシートを少し倒した。
美也子は助手席から体を横たえ、むしゃぶりつくように肉茎をくわえた。

智彦は動揺を抑え、むっちりとした太腿へ左手を伸ばした。
そして濡れて火照った秘唇を指で弄りながら、気がつかれないようにそっと合図のブレーキ・ペダルを踏んだ。

「そうか、見られると興奮するのか」

「んんん、許して…」

「もっと気持ちよくさせてやろうか?」

「…え?」

智彦は耳元で囁いた。

「ほら、そっと後部座席の窓を見てみろ」

美也子は肉茎を半ば口に含みつつ、ちらっと助手席の後ろの窓へ目を遣った。

つづく…

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『闇に抱かれて』 第十章

『闇に抱かれて』
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(十)

よほど今夜も期待していたのか、美也子は滑稽なぐらいうろたえた。

「あ、あなた、どうするの?」

「どんな男がいるんだ?」

「ほら、高校生ぐらいの男の子。テニスの練習をしているけど…」

「本当だ。寒い夜中に頑張っているなあ。別に不良じゃないみたいだし、結構可愛らしい顔をしているじゃないか」

「まあ、暴走族ではないみたいだけど…」

ジャージ姿でラケットを振る晶の姿を、美也子はしばらく注意深く観察していた。

智彦は車を夾竹桃の垣根の脇に止めた。
前回と同じく、ヘッドランプを消してエンジンはつけたままだ。

「ねえ、大丈夫かしら?」

「平気だろ。見たところさほど力も度胸もなさそうだし…それにここまで来て、高まった気持ちを抑えるのも辛いだろう?」

「んもう」

「まあ、ちょっとなら、お前の裸を拝ませてやってもいいけどね」

「やだ、変態夫!」

言葉とは裏腹に、助手席の美也子が智彦にしなだれかかってきた。
欲望を我慢していたのか、智彦が口唇を重ねると、美也子は狂ったように舌先を押し込んできた。

(これが美也子か…)

激しく動く舌先を受けながら、智彦は心中でうめいた。
もし晶がいることを知れば、覗かれることを警戒して消極的になるだろうと予想していた。

ところが結果は逆で、積極的に快楽を求める美也子に智彦は圧倒された。
半ばせがまれるようにセーターを捲し上げると、大理石のようにすべすべした柔肉の膨らみが、緑の輝きを帯びて弾け出した。

「ああ、あなた…」

美也子は喘いだ。
愛撫もしていないのに、乳暈は泡立って凝縮し、乳首は小指の先ほどの大きさに尖って上を向いている。
智彦は周囲に目をくばりながら乳首を弄んだ。

その時、阿一句のエンジン音がした。
車の前方に見える公園の入口で、肩にラケットを背負った晶が帰ろうとするところだった。
公園から出れば、車を停めているこの場所の脇を通ることになる。

「あ、あなた!」

全てが智彦のシナリオとは知らない美也子は、さすがに慌てふためいた。
バイクのヘッドライトが点り、眩しい光を放って前方から近づいて来る。

「ど、どうするのよ!」

「可愛い坊やに、ママのおっぱいを見せてやったらどうだ?」

ドアのロックを掛けて美也子を安心させると、智彦は運転席から後部座席に移動し、助手席の背後から露に乳房を揉んだ。

「恐い、見られちゃう」

二十メートル、十メートル―晶のバイクがゆっくりと近づいてくる。
ヘッドライトが車内を照らし、美也子の肌を闇から白く浮き上がらせた。

「いや、見られちゃう、見られちゃうよ…ああっ!」

美也子の鼓動が高鳴って体が強ばるのがわかった。
車の正面から運転席側へ、バイクは美也子の乳房を舐めるように通り過ぎた。

つづく…

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『闇に抱かれて』 第九章

『闇に抱かれて』
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(九)

深夜の倉庫街。
ヘッドライトが闇を鋭角に切り裂き、無人の廃墟と化した巨大な建物を照らし出す。

「もう本格的な冬の到来だ」

智彦はハンドルを操りながら、助手席にいる美也子に話しかけた。
だが美也子は何も答えず、どこか落ち着かない様子で体をもじもじさせている。

「おい」

「…え、あなた何か言った?」

「どうした?ぼんやりして」

「べ、別に、ぼんやりなんかしてないわ」

緑の蛍光色を放つエアコンのパネルが、美也子の顔を仄かに浮き上がらせている。

「何だ、トイレを我慢しているのか?」

「ち、違うわよ」

そう答えた美也子のはにかんだ表情に、智彦はすぐにその心中を察した。

「ははあ、これから始めることを想像して緊張しているんだな」

「バ、バカ…私はあなたの変態行為を嫌々つきあっているのよ」

美也子は心外そうにプンとふくれて見せたが、内心は図星を指されて明らかに動揺していた。

思えば、美彦を寝かせた後、普段ならパジャマに着替える美也子だが、今夜は赤いハイネックのセーターと、コーデュロイの膝下まであるスカートを穿いたままだった。

車は公園のある倉庫裏へ着いた。

「あっ、あなた人がいるわ!」

美也子は吃驚するような大きな声で、窓の外を指差した。
そこには公園の入り口にバイクを停め、ぽつんと街燈の下でテニスのラケットを振る人影があった。

赤星晶だ。
だがこれは偶然ではなく、智彦があらかじめメールで指示した計画だった。

美也子が野外で裸身を晒すことに、性的な興奮を覚えることは前回照明された。
次は晶に妻を抱かせる布石を打たなければならない。

それで今夜は、美也子に晶の存在を意識させながら、前回同様淫らな振る舞いができるかを試すつもりだった。

つづく…

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『闇に抱かれて』 第八章

『闇に抱かれて』
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(八)

送信者 tuzuki tomohiko
日時 2003年11月××日
宛先 akaboshi akira
件名 Re:昨夜のお礼

『こちらこそ有難うございました。粗末なものをお見せして恐縮するばかりです。
晶君が期待外れで落胆したのではないかと心配していました。

これからも、私たち中年夫婦にお付き合い戴ければ幸いです。
では、私たちも晶君を信じてプロフィールをお伝えします。

私は都筑智彦、中堅建設会社で営業の仕事をしています。
妻は美也子、出会いの掲示板に投稿した通り専業主婦です。

私たちは小学五年生の息子を持つ平凡な夫婦です。
と言っても、自分たちのセックスを覗かせる夫婦が平凡とは思えませんが…(笑)

晶君は私のことをどう思いますか?

心理学を専攻するのであれば、妻の裸身を晒した上、犯させようとしている私の心理を解明して下さい。
自分でも何故こんなことをするのか、答えが出せずに悩んでいます。

私は妻を愛しています。
愛していないのなら、他の男に妻を抱かせる理由は簡単に説明できるでしょう。
しかしそうではありません。

それに妻を責めて喜ぶサディストでもありません。
しかし間違いなく、晶君に妻の裸身を晒すことで、心の裏側に暗い悪魔の愉悦が湧き、体中を快楽が駆け巡るのです。

そして我が掌中の妻を、晶君に寝取られることを夢見て…ああ、私も昨夜のことを思い出し、妻に内緒で自慰してしまいそうです(笑)。

ちなみに初めての野外で裸身を晒した妻も、私を変態とか罵りながら、あの後は大変な興奮ぶりでした。

あれほど淫らな妻は初めてです。
夫として嬉しい反面、妻の本性を知らなかった自分に愕然ともする有様です。

さて次回ですが、来週金曜日の夜を予定しています。詳細はまたご連絡します。
では勉強も忘れずに。』

つづく…

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プロフィール

紅殻格子 

Author:紅殻格子 
紅殻格子は、別名で雑誌等に官能小説を発表する作家です。

表のメディアで満たせない性の妄想を描くためブログ開設

繊細な人間描写で綴る芳醇な官能世界をご堪能ください。

ご 挨 拶
「妄想の座敷牢に」お越しくださいまして ありがとうございます。 ブログ内は性的描写が多く 含まれております。 不快と思われる方、 18歳未満の方の閲覧は お断りさせていただきます。                
児童文学 『プリン』
  
『プリン』を読む
臆病で甘えん坊だった仔馬は、サラブレッドの頂点を目指す名馬へと成長する。
『プリン』
だが彼が探し求めていたものは、 競走馬の名誉でも栄光でもなかった。ちまちました素人ファンタジーが横行する日本の童話界へ、椋鳩十を愛する官能作家が、骨太のストーリーを引っ提げて殴り込みをかける。
日本動物児童文学賞・環境大臣賞を受賞。
『プリン』を読む

作 品 紹 介
※ 小説を読まれる方へ・・・   更新記事は新着順に表示されますので、小説を最初からお読みになりたい方は、各カテゴリーから選択していただければ、第一章からお読みいただけます。
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