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二十三夜待ち 第十四章

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そんな時、小鶴は一人の男に出逢った。

軒先を借りた蕎麦屋の若い店員、鎌田寛三である。

中学を卒業して花巻から出て来た十九歳の青年で、東北人らしく寡黙だが働き物で、雨の日の出前も愚痴一つ言わなかった。

「一息入れて下さい」

暑い夏の日には香ばしい麦茶を、寒い冬の日には暖かい蕎麦湯を、店先で茣蓙に座る小鶴へそっと持ってきてくれた。

取り立てて何を話すわけでもないが、小鶴は寛三のさり気ない心遣いが嬉しかった。

不器用で蕎麦屋の店主からはよく叱られていたが、そんな寛三が弟のように愛らしく、小鶴も売れ残った野菜を新聞紙に包んで寛三に渡してあげたりした。

「いつか親方に認められ、暖簾分けして貰って自分の店を持ちたいんです」

それが軒先で行商する小鶴に語った寛三の夢だった。

「あら、ステキだわ・・私も鎌田さんみたいに夢が持てたらいいなあ」

小鶴は寛三が羨ましかった。

若い寛三には無限の可能性があり未来がある。

それに引き換え小鶴は、好きでもない夫と死ぬまで農業を続けて暮らす宿命しかない。

「でも谷上さん、夢を叶えるには実力と責任、そして勇気が必要だと親方が教えてくれました。私にはまだそれがありません」

「・・もっともっと修業を積めば自然と自信がつくはずよ。大丈夫、鎌田さんはきっと暖簾分けしてもらえるわ」

「あ、有難うございます」

朴訥に頭を下げて店に戻る寛三の背中を見ながら、小鶴は宿命に縛りつけられた自分に自虐的な笑みを浮かべた。

続く…

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二十三夜待ち 第十三章

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昭和二十九年。
二十五歳になった小鶴は、天から射し込む光明を見た。


それは行商だった。

収穫した野菜を背負えるだけ背負って都会へ売りに行く。
行商は近郊農家にとって貴重な現金収入であり、女達の仕事だった。

人通りの多い街中で茣蓙を敷き、物乞いにも似た姿で農作物を商うことは、自尊心が高過ぎる男達にはできない仕事なのかもしれない。


朝の五時に起きて始発の房総東線に乗る。
背中に五十キロ、両手で二十キロほどの野菜を担いで都会へ向かう。

午前中に商いを済ませて家に戻り、翌日の農作物を収穫して荷造りを済ませ、夕飯の支度や家事を終えて就寝する厳しい生活だった。


小鶴も夫に命じられて行商へ行かされた。
初めて行商に出た小鶴は、村の女達とかち合わないよう川崎の工場労働者が住む地域へ向かった。

そこは路地裏にあばら家がひしめくスラムだった。
蕎麦屋の軒下を借りて野菜を並べてはみたが、行き交う人々に向かって売り声も出せず、しばらくはただ俯いて座っているばかりだった。


下町の女達は人情に厚い。
恥ずかしそうにもじもじする小鶴に、割烹着姿のおかみさん連中が気遣って声をかけてくれた。


「あんた商売は始めてかい?」


「おや、いい茄子じゃないか。ひと山貰おうかね」


「ちょっと、山田の奥さん、この娘初めての行商で難儀しているのさ。可哀想だから近所の人を呼んできて、荷物を捌いてあげようじゃないの」


その日はあっと言う間に野菜は売れてしまった。翌日からは一人二人と馴染客が増え、世間話に花を咲かすほど自然と街に溶け込んでいった。


小鶴は行商が楽しくなった。
商いする喜びや都会の華やかさは勿論、多くの人々と触れ合う喜びは、狭い田舎では決して得られない経験だった。

そして何より、夫や舅姑から解放される時間を持てることが一番の幸せだった。

 

続く…


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二十三夜待ち 第十二章

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だが現実は小鶴の夢を打ち砕いた。


戦争が終わった翌々年、小鶴は十八歳で九十九里浜に近い一宮町の農家に嫁いだ。


睦沢家が決めた結婚だった。

相手は睦沢家に仕えていた小作の親類で、農地解放で小さいながらも田圃を持つ農家の長男だった。


谷上正一は三十歳。


小鶴とは一回りも年が離れていた。

睦沢和馬は何も言わなかったが、おそらく不器量な小鶴の貰い手は、近隣でなかなか見つからなかったのだろう。


しかも正一は粗暴で野卑だった。


稲作の仕事は真面目にするが、教養どころか農業以外のことは何一つ知らなかった。

酒が好きで、飲むと事あるごとに小鶴に暴力をふるった。


「お前のように不細工で小利口でくそ生意気な女は嫌いじゃ。睦沢家に頼まれなければ、俺は絶対にお前など女房にはしなかった」


夫婦の性もほとんど強かんに近かった。

愛撫も何もなく挿入されるだけで、小鶴は正一の性処理道具以外の何物でもなかった。


また舅や姑も小鶴をいびり倒した。


「睦沢家に石女を押しつけられて谷上家も終わりじゃ」


正一と小鶴の間には、結婚して数年経っても子供ができなかった。

貧しい暮らしの鬱憤を晴らすかのように、家族全員がその鉾先を小鶴に向けたのだった。


小鶴は毎晩泣き明かした。


(これがあたしの人生なの・・)


いくら酷い仕打ちを受けても、実家から厄介払いされた小鶴には、帰る家もなく頼れる肉親もいなかった。


早朝から牛馬の如く田畑でこき使われ、家に戻っても深夜まで家事をこなした。

働けど働けど正一や舅姑に認められることもなく、ただ小鶴は地獄へ続く暗い闇の穴へ落ちて行くのだった。

 

続く…


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二十三夜待ち 第十一章

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千代の葬儀があった夜、小鶴は未来に現れるかもしれない男を夢見て、布団の中で無意識に自分の乳房と陰部へ指を這わせていた。

乳首は痛いほどチクチクと尖り、すでに陰部は深い沼地のように熱くどろどろとした粘液が溢れていた。

「あ、ああ・・いけないよぉ・・」

左手で硬く粟立った乳首を摘まみ、右手で敏感になった花蕾と秘唇を交互に辿ると、その悦びの電
流に感電して小鶴は思わず喘ぎ声をあげた。

小鶴は息を荒げながら、何度も幼い頃に聞いた千代の言葉を頭の中で繰り返した。

「小鶴は賢い娘だからきっと大切にしてくれる殿方が現れるわ」

貧しく器量が悪い娘への慰めだと思っていたのに、表向きの幸福を捨てて、千代は清一との許されぬ愛を貫いて見せたのだった。

命を擲っても惜しくない愛。

そんな絵空事を、千代は命を張って真実であると小鶴に教えてくれたのかもしれない。

「ああっ、若奥様・・小鶴は・・小鶴は・・本当に人生を託せる男と巡り合えるんでしょうか・・ああ・・」

身も心も捧げた男を受け入れる己の痴態を夢想すると、自然と陰部を弄る指の動きが強く荒々しくなる。

そして口を半開きにして喘ぎながら、小鶴は全身をヒクヒク痙攣させて女の悦びに征服された。

つっと涙が頬を伝った。

(・・好いた男に巡り会えた若奥様は、この世で一番幸せだったのよ)

小鶴は陰部をそっとちり紙で拭くと、掛け布団を頭まで被って咽び泣いた。
 

続く…


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二十三夜待ち 第十章

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ところがその春のこと、唐突に清一は英霊として月海集落へ戻ってきた。


南方へ向かう輸送船に乗っていた清一は、潜水艦の魚雷攻撃を受けて戦死したと聞かされた。

むろん下布施家が受け取ったのは空の遺骨箱だった。

その夕刻、月出山は気味が悪いほど赤々とした夕暮れに縁取られ、山の烏が五月蝿いほど狂ったように鳴いた。

翌日、月讀神社は再び騒然とした雰囲気に包まれた。


社殿の中で首を吊った女の遺骸が見つかったのだ。


千代だった。


家人や親族は世間体を気にして、公に葬儀もせず密かに千代の存在すら葬り去った。

遺書などは何もなかったが、清一の戦死と社殿の天女像から、集落の人々は千代の気持ちを察して口を噤んだ。

また娘を残された夫の和馬は、事情を呑みこめないまま、否、事情をこれ以上明らかにしたくないのか、しばらく東京に住む親族の家に身を寄せるため月海集落を離れた。

 
いくら戦時中とは言え、周囲から見れば遣る瀬ない男と女の末路だったに違いない。


だが小鶴は千代に嫉妬を覚えた。


きっと千代は幸せだったのだ。


己の命を賭してまで、恋愛を成就させる情熱が千代と清一にはあったではないか。

二十三夜の夜に見た激しく貪り合う情交は、一生を一瞬に昇華してしまうほどの灼熱の炎に包まれていた。


小鶴は己の境遇を改めて振り返った。


(私も出逢えるのだろうか? そして出逢えた時、命すら捨ててその人の懐に飛び込んでいけるのだろうか?)


親が選んだ相手、しかもその顔や性格すら見合い当日までわからない。

そんな男と形だけ結婚して、死ぬまで添い遂げる人生が果たして幸せなのだろうか。

 

続く…


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二十三夜待ち 第九章

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清一は月海集落にある造り酒屋の長男で、尋常小学校に通っていた頃から絵が上手だと近隣では有名だった。

小鶴自身も学校の廊下に貼り出された清一の絵を何度か見たことがある。

月出山を写生した絵などは、まるで写真ではないかと見紛うほど、山を覆う木々が一本一本細密に描かれていた。

家業を手伝いながら画家を目指していた清一は、今年の一月、二十一歳で召集されて南方の戦線へ向かって行った。


(あの夜、若奥様と逢っていたのは清一さんだったのかもしれない)


そう考えると、月光に映し出された若い男の背恰好は、酒屋の店先で見かける清一に似ていたような気もする。

改めて小鶴は愕然とした。


千代が女教師としては月海集落へ赴任した頃、清一はまだ尋常小学校の上級生で在学していた。

千代と清一の関係がいつ始まったかはわからないが、教師と教え子の間柄でありながら二人は情を通わせ合う仲だったのだ。

そして戦地へ出征する前に、清一は自分の手で愛する千代の姿を残しておきたかったのだろう。

それをわざわざ村人の目に触れる月讀神社に残したのは、戦地で死ぬやもしれぬ運命を前に、千代への想いを永遠に刻みつけたい執念に駆られたからかもしれない。


(でも若奥様の立場は・・)


天井画を見た女達は、睦沢家の千代様に似ていると誰ともなく噂した。

だが睦沢家は沈黙した。

何事もなかったかのように、千代も普段通りの生活を続けた。

確かに天女の顔は瓜二つだが、その裸身を実際に見た者は集落におらず、千代に懸想した清一の悪戯だとする男達もいた。


続く…


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二十三夜待ち 第八章

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昭和二十年初頭の冬。

田の畔や路傍の名もない草が枯れ、房総の里山は一面乾いた朽葉色に染められていた。

ここ月海集落でも英霊達の遺骨が戻る日が増え、我が物顔に上空を通り過ぎる敵軍機を目の当たりにして、いよいよ本土決戦も間近いと人々は頻りに噂した。

そんな折、集落におかしな騒ぎが起きた。

たまたま掃除に来た婦人会が、月讀神社の天井に天女の絵を見つけたのだった。

「・・・・」

女達は息を呑んだ。

今年の正月に詣でた時には天井画などはなかった。

それが突然社殿の天井に天女が出現したのだ。

女達の中には戦争に勝つ予兆だと噂する者もいた。

だがそれよりも女達を驚かせたのは、天井に描かれた天女像が露な裸身を晒していたことだった。

しかもよくある平安朝的な天女ではなく、その描写は顔形や体形まで写実的で西洋絵画のように美しかった。

小鶴は人だかりを掻き分けて社殿に入って天井を見上げた。

「あっ!」

思わず小鶴は声を上げてしまった。

(・・これは若奥様だ)

その天女は 顔立ちだけではなく、描き込まれた乳房の形まで千代に酷似していた。

見物に集まった人々もそれに気づいてか、好奇の眼差しで、口に手を当ててひそひそと小声で話し合っている。

小鶴の頭は猛烈に回転した。

千代の顔立ちはともかく、その裸身を知る者と言えば、当然夫の睦沢和馬しかいないはずだ。

だが凡庸な和馬に絵心などあるとはとても思えなかった。

その時、小鶴の脳裏を再びあの夜の情景が過った。

(あっ、あの二十三夜の夜に・・若奥様は確か清一君って・・)

和馬の他に千代の裸身を知る人物、それはあの夜に目撃した情事の相手ぐらいしかいないはずだ。

小鶴は天井画の右下に書かれた銘を見た。

清一。

黒字で殴り書きされたその名に、小鶴は尋常小学校の上級生だった下布施清一を思い出した。

続く…


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二十三夜待ち 第七章


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天井一面に天女の絵が描かれていた。

寺や神社の天井画には、八方睨みの龍や飛天する天女があしらわれている。

だがこの月讀神社の天女は異質だった。

平安時代の貴族を想わせる大和絵の描き方ではなく、まるで西洋画の写実主義の如く、精密なデッサンを基に細部に亘るまで写真のように描かれていた。

しかも天女は全裸で宙を舞っていた。

うっとりした瞳と半開きの口唇が、神社に相応しくない艶めかしく官能的な表情をつくっている。

恍惚の天女。

子供を産んだ女なのだろうか、下腹部はむっちりとし豊饒に描かれている。

まるで実際のモデルを写生したように、顔の表情はおろか乳暈の粟立ち一つ一つや、淡く秘部を覆う細毛の一本一本まで、詳細かつ執念深く細密に描き込まれていた。

「・・これは子供に見せられないでしょ?」

唖然とする息子を尻目に、老婆は天井画に手を合わせた。

「若奥様、小鶴が帰って参りました」

老婆はそう言うと、遠い昔を思い出すかのように静かに目を閉じた。

続く…


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二十三夜待ち 第六章


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陽射しが照りつける夏の午後。

山の稜線から沸き立つ真っ白な入道雲が、群青の空と鮮やかな境界線を描いている。

けたたましく油蝉が鳴く細い山道を、場違いな一台の車が、路傍の雑草に薙ぎ倒しながら走って来た。

「この辺りでいいわい」

後部座席に乗る嗄れた声に、車を運転していた中年の男は車を慌てて停めた。

正面にゴルフ場を見渡せる小高い丘。

運転席から降りた男は、後部座席のドアを開けて乗っていた老婆の手を引いた。

「ふん、国土を荒らしてゴルフ場ばかり造りおって」

老婆はそう毒づくと、ゴルフ場を見下ろす丘に建つ古めかしい神社へ、杖をつきながら階段を登って行った。

小ぢんまりとしているが、格式の高さを思わせる社殿がどっしりと構えている。

「昔と変わっておらん」

そう呟いて社殿に二礼二拍手一礼する老婆に、後から階段を登って来た運転手が息を切らして問いかけた。

「母さん、これが月讀神社なのかい?」

どうやら運転手と思しき男は老婆の息子らしかった。

「そうだよ・・ここがあたしの生まれ育った集落があったところさ」

老婆はそう答えると、鍵がかかっていない社殿の戸を開けて中へ入った。

時折は近所の老人会でも掃除に来ているのか、社殿の中は小ぎれいに片づいていた。

老婆はふうっと静かに息を吐くと、ゆっくりとした動作で天井を見上げた。

続く…


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二十三夜待ち 第五章


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小鶴は声がする闇に眼を凝らした。

そこには月光を映した男と女の裸身があった。二人は立ったまま抱き合い、もどかしそうに肌と肌を擦り重ねている。

「もっと・・もっと強く抱き締めて・・」

大理石のように滑々して丸身を帯びた女の体が、筋肉質な男の腕の中でくねくねと何度もしなる。

その艶めかしさに小鶴は息を呑んだ。

おそらく月の光がなくとも、女の体は白磁器のように透き通っているのだろう。
その肌を僅かな青みを含む月光が照らすことで、ぞっとするほど凄絶な神秘を宿している。
豊かで肉づきのいい尻でさえ、天界から舞い降りた吉祥天のような神々しさを小鶴は感じた。

(はあ、はあ、はあ・・)

天女の尻が男の手で揉みしだかれる様に、小鶴は神々の営みを覗き見る恍惚感に酔い、未通女でありながら、自分の膨らまぬ乳房を撫でて息を荒げた。

女は立木に抱きかかえるように、体を屈めて男に尻を突き出した。

「ああ、欲しいの・・あなたが欲しくて我慢できない・・」

豊かな乳房を揺らして女が誘うと、男は背後から尻を鷲づかみにして腰を押し当てた。

「いいっ、清一君が入って来るっ!」

女が上半身をのけ反らせた刹那、青い月光が木の陰になっていたその顔を映し出した。

(あっ!)

小鶴は声を出しそうになって慌てて口許を塞いだ。

後ろに結った髪を下ろしてはいたが、その美貌は仄暗い闇でも瞬時に判別できた。

(わ、若奥様・・)

女はかつての女教師、今は小鶴が奉公する睦沢家の嫁、千代だった。 

続く…


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プロフィール

紅殻格子 

Author:紅殻格子 
紅殻格子は、別名で雑誌等に官能小説を発表する作家です。

表のメディアで満たせない性の妄想を描くためブログ開設

繊細な人間描写で綴る芳醇な官能世界をご堪能ください。

ご 挨 拶
「妄想の座敷牢に」お越しくださいまして ありがとうございます。 ブログ内は性的描写が多く 含まれております。 不快と思われる方、 18歳未満の方の閲覧は お断りさせていただきます。                
児童文学 『プリン』
  
『プリン』を読む
臆病で甘えん坊だった仔馬は、サラブレッドの頂点を目指す名馬へと成長する。
『プリン』
だが彼が探し求めていたものは、 競走馬の名誉でも栄光でもなかった。ちまちました素人ファンタジーが横行する日本の童話界へ、椋鳩十を愛する官能作家が、骨太のストーリーを引っ提げて殴り込みをかける。
日本動物児童文学賞・環境大臣賞を受賞。
『プリン』を読む

作 品 紹 介
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